肩こり・腰痛を通院や運動をせず楽に改善させる方法

画像元:肩こりからの頭痛

 肩こりや腰痛を解消する方法として、マッサージ、鍼灸、整体、運動、温熱療法、薬物療法、姿勢の改善などを思い浮かべるかと思います。その中から予算、スケジュール、行いやすさなどを考慮し、選択するというのが大方ではないでしょうか。

 しかし、いずれかの方法を経験したことがある人は、実際に行動しようとした場合に「マッサージや整体は気持ちよいけど出費が痛いな・・・」、「整形外科に行くほど大げさじゃない・・・」、「運動は苦手だし、キツイな」とネガティブなイメージが先行し、結局何もしないという選択をする場合も少なくないと思います。できれば短時間で、費用も掛からず、自宅で気軽にやれるものがあればと感じている方には瞑想をお勧めします。

目次

1.マインドフルネス(瞑想)とは
2.どのような人にオススメか?
3.マインドフルネスの効果
4.マインドフルネス低減法(MBSR)の実践

1.マインドフルネス(瞑想)とは

 “人間は考える動物”と言われるように頭の中ではあれこれ考えています。それが良い方向へ向けば、物事を解決する原動力になりますが、ネガティブな悩みや不安はストレスになり、積極的な思考や行動を奪い、仕事やスポーツではいつものパフォーマンスを発揮できずマイナスになってしまいます。そんな雑念を取り払う方法がマインドフルネス(瞑想)です。直訳すると「今この瞬間の体験に、意識的に集中する」という心の在り方を示す方法です。

 そのマインドフルネスを、アメリカの脳医学博士である、ジョン・カバット・ジンが医療用に応用したものがマインドフルネス低減法(MBSR)です。1985年に肩こり、腰痛などの慢性疼痛患者に対して10週間のプログラムを行い、痛み、病的症状、活動性、薬の服用量、気分、不安、自己肯定感といったすべての項目で有意な効果があると報告しています。

 プログラムは瞑想、呼吸法、ヨガ、行動、エクササイズ、日常訓練などからなり、「今行っていること」に意識を集中することにより、痛みや不快感を脳の感覚から遠ざけることを目標とします。

2.どのような人にオススメか?

  • 肩こり、腰痛が3か月以上続き、慢性的に痛みや不快感がある方
  • ストレス、気分の落ち込み、不安などを感じると痛みやこり感が増す方
  • 医療機関に通院する時間、費用があまりないが、なんとか改善したいと思っている方

 このような方々に特にお勧めします。慢性化すると小さな体の異常が、とても大きな異常に感じてしまい不安と共に痛みや不快感が増していきます。様々な要因に影響を受ける痛みという主観的な感覚を、脳の反応に働きかけ、和らげていきます。

3.マインドフルネスの効果

  • コルチゾール(ストレスホルモン)の減少
  • オキシトシン(幸せホルモン)の分泌
  • ストレス軽減により免疫力が高まる
  • 副交感神経が優位になり血流が改善し、肩こり、腰痛が減少する
  • 自律神経のバランスが整い、睡眠の質が向上
  • 意識を客観的にモニターすることで、痛みに囚われていた思考、感情、感覚を解放する
  • 意識が覚醒し、集中とリラックスの切り替えがスムースになる

4.マインドフルネス低減法(MBSR)の実践

 通常のMBSRでは、30名程度のグループ形式で7種のエクササイズを1日2~3時間かけて行い、それを8週間以上続けます。ここではもっと手軽に行えるように、MBSRエクササイズの代表的な瞑想呼吸法を組み合わせてアレンジしたものをご紹介します。

 治療や運動のように気合を入れてやるようなものではなく、気軽に静かな場所でリラックスして行うことがポイントです。

画像元:ストレスを溜めない習慣作り!

  1. 静かな場所で座る。椅子の場合は浅めに座る。床ではあぐらで座る。
  2. 胸を自然に張り、顎を引いて、頭頂部が天井からつられているように背筋を伸ばす。
  3. 目をつぶって、ゆっくり呼吸をする。鼻から吸って口から出す。
  4. 集中して呼吸に注意を向ける。頭の中は「吸って、吐いて」という呼吸だけ。
  5. 雑念や煩悩が思い浮かんだら、また呼吸に意識を持っていき集中する。

 雑念が思い浮かんでも悪いことではありません。雑念に気づいたらまた意識を呼吸に戻す。それを繰り返していくと結果的に何も考えなくなります。何度でも「今、この瞬間」に戻ってくる練習です。

 慣れてくると、呼吸に集中している間は肩こりや腰痛の痛み・不快感が意識の中に無かったことに気づくでしょう。あとはその痛みのない時間を伸ばしていくだけです。仕事中や日常生活でも、痛みを感じたら「今、行っていること」に集中し、痛みにフォーカスする癖を直していきましょう。

 一日10~15分くらい行ってください。毎回、場所と時間を決めて行うと習慣として取り入れやすくなります。いきなり長時間やるよりも、短時間でも毎日続けることのほうが大事です。少なくとも8週間以上継続して行うと、効果が実感できると思います。

 MBSRは科学的根拠に基づいた療法で、効果も実証されています。慢性疼痛ガイドラインでも認知行動療法と並んで推奨されています。

この記事を書いた人:

若月隼

 小学1年~大学まで野球部に所属。

 2005年に鍼灸師免許取得後、日本オリンピック委員会医科学スタッフ、整形外科、脳神経外科に勤務し、その後、都内で鍼灸院開業。

 現在は鍼灸院での治療業務の傍ら、アスリートから一般の方に向けたフィジカルトレーニングの指導も行っている。

 趣味はスポーツ観戦と食べ歩き。