肩こり・腰痛のウソ/ホント

 肩こり・腰痛は、厚生労働省の調査で、国民の自覚している症状の1位2位を占めており、その話題に関心を持つ人も多いでしょう。今回は、肩こり・腰痛に対する認識について、本当に合っているのかどうか、お話していきます。

目次

1.なで肩の人は肩こりになりやすい?
2.寝返りが少ないと腰痛になりやすい?
3.腰が痛いときは、痛くなくなるまで安静にした方がいい?
4.肩や腰が痛いときにするマッサージは痛いほど効果がある?
5.肩こりや腰痛で痛みがつらいときは湿布して冷やした方がいい?
6.太っていると腰痛になりやすい?

1.なで肩の人は肩こりになりやすい?

 これは「ホント」です。なで肩とは、まっすぐ立った時に、鎖骨が外側に向かって下がっている状態のことを言います。なで肩の人は、肩の傾きが大きく、腕から下の重みが肩にかかりやすく、普段の何気ない動作でも肩が凝ってしまいます。また、カバンが肩からずり落ちやすいため、荷物を持っている間、首や肩の筋肉を緊張させていることが多く、これも首や肩に負担がかかって肩こりの原因になります。

 なで肩の人は、生まれつきの骨格が問題である場合と、生活習慣でなで肩になってしまう場合があります。普段から猫背で姿勢が悪い場合や、重い荷物を肩にかけたり引っ張ったりすることが多い場合、なで肩になってしまいます。日常生活から、姿勢に気を付けて、首や肩に負担をかけすぎないように心がけましょう。

2.寝返りが少ないと腰痛になりやすい?

 これは「ホント」です。慢性的な腰痛は、多くの場合は日常生活の中に原因があるといわれています。朝起きて腰が痛いと感じる方は、寝返りが少なく睡眠中に同じ姿勢を続けている可能性があります。

 同じ姿勢をずっと続けていることで筋肉の緊張が続くことや、あおむけの状態では内臓などの重みが腰へ集中し血管が圧迫されることで、腰周辺の血行が悪くなり、痛みが生じることがあります。また、長時間体重がかかることで腰椎(腰の骨)をつないでいるじん帯が緩み関節が不安定になることも痛みの原因となります。

 体が硬い人は、寝返りを打つ場合により多くの筋力が必要になるため、その結果寝返りがすくなると言われています。朝起きて腰が痛いと感じる人は、ストレッチなどをして体の柔軟性を高めていくとよいでしょう。また、あおむけで足を伸ばした状態で寝ると、骨盤が引っ張られて腰に力が伝わって痛みを引き起こしますので、ひざの下にクッションなどを入れて脚を立てたり、横向きで寝るとよいでしょう。

3.腰が痛いときは、痛くなくなるまで安静にした方がいい?

 これは「半分ウソ」です。腰が痛いときは、基本的には安静にすることが大切ですが、ずっと動かないでいることで、腰の周りの筋力が低下したり、筋肉の緊張が逆に高まって腰痛が悪化する場合があります。腰の痛みが強い場合は、もちろん安静が必要ですが、徐々におさまってきたら、サポーターなどを上手に活用しながらストレッチをしたり、有酸素運動を行ったりして、腰のまわりの筋肉の緊張をほぐし、筋力低下しないように気を付けていくことが大切です。

4.肩や腰が痛いときにするマッサージは痛いほど効果がある?

 これは「ウソ」です。マッサージが強い・痛い=効果があるというのは間違えで、マッサージで痛みを感じるほどの強い刺激を与えると、炎症が起こってしまったり、筋肉がかえって緊張してしまい、逆効果となってしまうことがあります。

 マッサージをする場合は、筋肉をほぐす程度の強さで行ったり、自分で加減をしながらのストレッチの方が有効です。血流を改善することを目的として行うことが大切です。

5.肩こりや腰痛で痛みがつらいときは冷やした方がいい?

 これは基本的には「ウソ」です。肩こりも腰痛も、ほとんどが原因が特定できない、日常生活の動作や姿勢などからくるものがほとんどです。それらは、肩や腰のまわりの筋肉が緊張し血行が悪くなっていることで起こります。冷やすのではなく、温めることで筋肉の緊張をほぐし、血行を改善することができ、肩こりや腰痛を和らげることができます。また、体が温まると、副交感神経を優位に導くことができます。副交感神経を優位にすると、体がリラックスし血管が拡張し、血行が促進されます。お風呂などにゆっくりと入って身も心もリラックスさせるのがおすすめです。

 ただし、温めるのがよくない場合もあります。それはぎっくり腰など、明らかに原因が肩こりや腰痛になる原因となる出来事が起こっていて、患部に炎症を起こしている場合です。炎症部位を温めてしまうと、反対に炎症を悪化させて回復を遅らせてしまいます。ぎっくり腰などの急性的な痛みの場合には、受傷から48時間程度を目安に湿布などで冷やすようにするとよいでしょう。

 冷やすか温めるか迷った場合は、温めて心地よいと感じるときには温めて大丈夫と判断してもよいでしょう。反対に、温めて、痛みが増したり、ドクドクと脈打つ感覚がある場合には冷やした方がよいです。自分で判断ができない場合や不安な時には病院を受診するようにしましょう。

6.太っていると腰痛になりやすい?

 これは「ホント」です。体重が重ければ腰への負担も大きくなります。また、体重が増加することで、おなかが前に出ると重心が前へ移動するため、腰をそらしてバランスをとるようになり、姿勢が変化してしまいます。腰をそらした姿勢は背骨への負担が大きくなり、より腰痛になりやすいと言えます。

 過度なダイエットが必要というわけではないですが、血行促進効果も含めて、有酸素運動などの適度な運動をしていくことが大切です。

 肩こり・腰痛について、誤った認識をもつと、症状を悪化させることにつながりかねません。正しい認識を持つこと、判断が難しい場合には自己判断せずに、医療機関を受診して指示を仰ぐことが重要です。多くの日本人が自覚する肩こり・腰痛に対して、少しでも予防や対策できるよう正しい認識をつけていきましょう。

この記事を書いた人:

ookawa

国立大学医歯薬学保健学研究科卒業、看護学修士号取得。

看護師国家資格、保健師国家資格取得。

現在は、2人の子どもを育てながら、看護学博士号取得のため勉強中です。