肩こりの最大の敵「猫背」を治すために今すべきこととは

目次

1.肩こりの敵ーー猫背について
2.楽な姿勢=良い姿勢ではない
3.猫背を治す方法

1.肩こりの敵ーー猫背について

 悪い姿勢として最もポピュラーな「猫背」

 超定番ですが、間違いなく肩こりを引き起こす大きな要因で、「肩こり」最大の敵と言っても過言ではありません。

 「肩こり」を訴える人の多くが「猫背」傾向にあります。

猫背の特徴は、

✔ 頭が体より前に出ている
✔ 顎が突き出ている
(頭が前に出ているのに、真っすぐ前を見ようとするため)
✔ 首の後ろが詰まっている(うなじが短い)
✔ 肩が前方に巻き込まれている(いわゆる前肩)

 猫背があると、立っていても、座っていても、首の後ろの筋肉は短くなり、肩は前に巻き込まれ、顎は前に引っ張られます。前に引っ張られた頭と肩を支えるために、首や肩まわりの筋肉は普通以上に働かなくてはなりません。

 よって、当然のごとく首も肩もこる。こるのが当たり前といえます。

 想像してみてください。

 私たちの首は約5kgの頭を支えています。

 さらに、私たちの肩と肩甲骨は約8kgもある腕の重みを支えています。

 こんなに重い頭や腕が、体より前に出ていれば、それを支える筋肉にものすごい負担がかかるのは当然です。このように、筋肉に負担をかけ続けることで、首周り、肩回り、肩甲骨周り、背中、胸の筋肉が短くなったり(短縮)、伸ばされすぎたり(伸張)するわけです。

 例えば、お化粧をする女性の姿はどうでしょうか。

 鏡をのぞきこむようにお化粧をするため、あごを前に突き出すようにしています。

 机の上で頬杖をついている姿はどうでしょうか。

 仕事以外の場面では、頬杖をついて家族や友人と話をしている場面もみかけます。

 これが癖になっている人は要注意です。

 スマホを使っているときの姿はどうでしょうか。

 猫背であごが突き出た姿勢で長時間作業をしていませんか?

 長時間のパソコンやゲーム、テレビ鑑賞は?食事の姿勢は?

 言い出せばきりがありませんが、現代社会は猫背になりやすい環境で溢れています。

 では、なぜ人は猫背を好むのでしょうか?

 ズバリ、猫背がとっても楽な姿勢だからです。

 良い姿勢で座るためには、

背筋(脊柱起立筋)と腹筋(腹斜筋群や腹横筋)がバランス良く働く必要があります。

 一方、猫背にすると、筋力をあまり使わなくても、骨や靭帯の支えだけで姿勢を保つことができます。とても楽ですが、完全に重力に負けてしまっている状態です。そうです、重力にストレート負け、一本負けです。

2.楽な姿勢=良い姿勢ではない

 このように、楽な姿勢=良い姿勢ではないのです。

 地球上で生活する私たち人間は、重力に立ち向かわなければならないという過酷な環境におかれています。私たちは地球で生活する限り重力と戦い続けなければならないのです。

 「良い姿勢」ってこんな姿勢!というイメージは殆どの人がもっているかと思います。

 悪い姿勢が蔓延している現代社会だと尚更、良い姿勢の人って目立ちますね。

 「良い姿勢」とはこんな姿勢です。

✔ 頭が身体の真上に乗っている
✔ 頭のてっぺんを糸で軽く引っ張っられているように体・背骨が伸びている
✔ 顎は軽く引いている
✔ 背骨が滑らかなS字カーブ
(猫背がない/腰が反りすぎていない/腰が丸まっていない)

 このような姿勢をしっかりと取れるようになれば、良い姿勢を保つ筋肉がつきます

 そして良い姿勢を習慣化できれば、それが楽な姿勢へと変わっていくのです。

 私たち人間は、ついつい、筋肉を使わなくてすむ楽な姿勢を無意識的に求め、そうしてしまいます。

 猫背をはじめとする悪い姿勢を続けると、筋肉や筋膜は硬くなり、“こり”が生まれます。

 よって、そうなった筋肉や筋膜は伸ばさなければなりません。

 こういった筋肉に、「ストレッチ」、「マッサージ」、「筋膜リリース」などをすることが、筋肉を良い状態に回復させるために効果的であるとされ、一般に多く用いられている手法となっています。

 硬くなり、こった筋肉がある一方、その筋肉に引っ張られ続けることで筋力が落ちてしまう筋肉も存在します。

 人間の体は前後左右上下、全身タイツのように筋肉と筋膜に覆われています。

 そのため、どこかの筋肉が硬くなれば、隣接する筋肉や反対側の筋肉に何かしらの悪影響をおよぼすわけです。

 多くの場合、こって、伸びにくくなった筋肉の反対側の筋肉は、伸びきって、縮む力が弱くなります。

 猫背の場合であれば、背中の筋肉や、首の前の筋肉(顎が前に突き出るため)が伸びきっています。

 筋肉が適切に働くためには、「適度な長さ」が必要のため、伸ばされてしまった筋肉は、力を出しにくくなっていることが殆どです。

 そのため、これらの筋肉を強くすると、反対側のこった筋肉を緩めることもでき、筋肉のバランスを改善することができます

 それでは、「肩こり」最大の敵である「猫背」を治すためにはどのような方法がいいのでしょうか。

3.猫背を治す方法

(1)運動をする

 運動は、他人に揉まれるマッサージよりも、1.5倍も血行が改善します。さらに筋力もつきますので、【血流改善】と【筋力アップ】によって姿勢の改善に役立ちます。

 軽いスポーツでも、自宅やジムでの簡単な体操・筋トレ・ストレッチなどでもいいですし、ウォーキング、ラジオ体操を始めるのもいいかもしれません。

 ヨガやピラティス、太極拳などのレッスンに興味があれば、これを機に始めてみるのもいいかもしれません。

 運動をする時間がとれない人は、外出時に大股&早歩きをする、階段を使うといったことからはじめてみるのもお勧めです。

 運動やエクササイズの強度の目安は、運動後に爽快な疲れが残る程度が適当です。翌日に疲れが残った時はやりすぎと判断し、強度を少し下げましょう。

(2)姿勢チェックで良い姿勢を体に覚えさせる

 猫背や反り腰などの悪い姿勢が “当たり前”になっている場合、体が良い姿勢を忘れてしまっていることがよくあります。

 ボディイメージという言葉を聞いたことがある人も多いかと思いますが、

 長い年月をかけて習慣化された悪い姿勢によって、自分自身の中で感じる体のイメージ(※姿勢で言えば、頭が体より前にあるとか、背中が丸まっているとか、反っているとか)が歪んでしまっていることがよくあります。

 なので、自分では「良い姿勢」をとっている“つもり”だったり、真っすぐ座っている/立っている“つもり”でも、実際にはそうでない場合が往々にあります。

 その場合、せっかくストレッチや筋トレをしたところで、良い姿勢を忘れてしまっていれば「良い姿勢」を癖づけることはできません。

 テレビや雑誌などでも紹介されることがよくありますが、壁を背にして立つことで姿勢チェックをできる方法があります。

良い姿勢チェック

✔ 壁に背中をくっつけるように立つ
✔ 両方のかかと同士はくっつけ、つま先は軽く開く
✔ 壁に、【かかと】【お尻】【肩甲骨】【後頭部】をつける
✔ 腰に手のひら1枚分のスペースがあく

 概ね、これが「良い姿勢」の目安となります。

 いわゆる、下半身の上に骨盤と上半身がしっかりと乗り、その上に頭が乗るといった具合です。

 「良い姿勢」の感覚を失ってしまっている人は、自分が思っている「良い姿勢」とのギャップに衝撃をうけるはずです。

 でも、安心してください。

 悪い姿勢を習慣化したように、良い姿勢も習慣化することは可能です。こまめに良い姿勢をチェックして、生活の中で「良い姿勢」に近づける癖をつけましょう。

(3)背骨をたくさん捩じる

 細かいことはさておき、たくさん背骨を捩じりましょう。背骨を捩じると背骨を伸ばしてくれる背中の筋肉が働いてくれます。

 また肩、首、肩甲骨周りの筋肉や背骨のストレッチになるので、柔軟性の改善が期待でき、肩こりの改善や姿勢の改善に繋がります。

座って

・足を組んで、組んだ足の方に体を捩じる(右足を上に足組んだ場合、右を振り向くように体を捩じる)

・足を大きく開き、肩を入れる(開脚し、膝に手を当て、体を捩じりながら片方の肩を入れる)

立って

・ラジオ体操のように、両腕を左右に振りながら、それに合わせて上半身を左右に捩じる

仰向けで

・右膝を立て、立てた膝を左側に倒して、体を右に捩じる。顔は右を向く。

 ※反対も同様に

横向きに寝て

・両足を深く曲げ(膝を抱えるようなイメージ)、上半身を反対側に開き、体を捩じる。

(右向きで寝た場合)左側を向くように顔・腕・胸を開いて、背骨を左に捩じる

 ※反対側も同様に

(4)肩甲骨の下にタオルやポールを入れて、猫背を伸ばす

 多くの場合、肩甲骨のあたり~肩甲骨の下あたりの背骨が丸くなってしまっています。

 そんな背骨を簡単に伸ばす方法がこれ。

✔ タオルをきつく丸め、筒状のものを作る
 ※ストレッチポールがある場合は、ポールでOK。
 ※ラップの芯にタオルを巻きつけ、ゴム等で止めてもよい。
✔ 肩甲骨のあたり/肩甲骨の下にタオル/ポールが当たるように、仰向けに寝る
✔ 両ひざを曲げる(腰を伸ばさないようにするため)
✔ 深呼吸を繰り返す
✔ 両手でバンザイをする(バンザイ動作を反復する)

 改善するまでは、なるべく毎日行うことをお勧めします。

 情報化社会の今、さまざまな媒体から情報を得ることが出来ますが、無理なく、継続でき、効果を感じ取れるものを見つけることが「肩こり」改善に大切です。

 ここに紹介した内容は、生活の中で簡単に、短い時間で取り入れられる内容になりますので、是非1度試してみてください。

この記事を書いた人:

ONISHI

理学療法士。コンチネンスリーダー。リラクゼーションサロンsaya andaオーナー。10年間病院でのリハビリテーションに携わったのち、現在は介護・福祉従事者の教育に従事しながら、筑波大学大学院にてヘルスプロモーションの勉強・研究に取り組み、健康活動を推進中。