
目次
1.ストレスが長く続くとなりやすい疾患2.アンガーマネジメントとは!?
3.相手に求めてしまいそうな「べき」の例
4.怒りのピークは6秒で超える!?怒りをコントロールする3つの方法
5.境界線を広げる努力をする
6.境界線のゆらぎを安定させる
ストレスが長く続くとなりやすい疾患
あなたは頭にきた時に、我慢するタイプですか?それとも相手に不満をぶつけてしまうタイプですか?
会社の嫌いな上司や先輩、敵対するお姑さんに会うと、いつも辛い肩こりが、さらに酷くなった経験はありませんか?
ヒトは、ストレスを感じると自律神経のうち交感神経が優位になる為、血管が収縮し、血流が悪くなるために肩こりが酷くなります。

長く続くストレスや怒りはあなたの健康に害を与え、例えば以下のような疾患にかかりやすくなります。
- 自律神経失調症(肩こり・頭痛、めまい・のぼせ・動悸等)
- 過敏性腸症候群(下痢や便秘のどちらかの症状かどちらも繰り返す)
- メニエール病(耳鳴り・難聴・めまい)
- 神経性胃炎(精神的ストレスで気がふさぐ、喉がつっかえる、胃が痛む等)
- 過呼吸(過換気症候群)
- 心疾患
- 高血圧
- 糖尿病
- 脳卒中
等、さまざまな疾患にかかりやすくなります。
しかし、向こうの方からストレスが勝手に寄ってくるような気持になる事もありますよね。
あなたは気分も良く出社したのに、上司はいきなり機嫌が悪い…。すがすがしい朝なのに家族は機嫌が悪い・・・等、自分の気分だけではどうにもならない事もあります。
ひたすら嫌なことに耐えるのですが、周りの理不尽な態度にどんどんイライラが募っていき、気付くと後輩や子供(家族)にあたってしまって関係が悪くなってしまった。という方も少なくはありません。
自分はイヤな気分にさせられて我慢したのに、人にあたってしまった自分に自己嫌悪をして益々イライラし、肩こりが酷くなる・・・。
そんなあなたにお勧めなのが「アンガーマネジメント」です。アンガーマネジメントは、怒りで公開しない為のポイントがたくさん学べる方法です。
アンガーマネジメントとは!?

アンガーマネジメントとは、怒りの感情と付き合うための心理トレーニングで、1970年代に差別やDV、軽犯罪に対する矯正プログラムとして確立されました。
「怒り」はごく当たり前の感情で、身を守る(防衛)為の感情考えられています。
ヒトは、心とカラダの安全や安心が脅かされそうになると怒りが芽生え、自分を守ろうとします。
怒りの感情は「負」のイメージが強いかもしれませんが、怒りは、喜怒哀楽というように、他の感情と共に私たちに必要なものです。
怒り自体は、うまくコントロールができれば良いのですが、怒りの感情をそのままにしているとあなたに様々なことが起こります。
- 人間関係を壊す
- 仕事に支障が出る
- 溜め込んだ怒りが更に激しい怒りに変わる
- カラダに悪い影響が出る
怒りは高い所から低い所へ、強い所から弱い所へ流れる性質があります。
上司から部下へ怒りが流れるのは想像しやすいかと思いますが、新人店長を年数が長いパートさん達が「こんなことも知らないんですか!?」と責める逆パワハラもこれに該当します。

役職というよりは、強い物から弱い物へ流れていくイメージが正解です。
喜怒哀楽の感情は「情動感染」と言って、周囲のヒトに感染する伝染病です。
好きなアーティストのライブでファン全員が盛り上がるように、職場の誰かが、舌打ちをしたり、不平不満を言い始めると、怒りがどんどん感染していきます。
そして、怒りの感情は、身近な人に対するほど強くなる傾向があります。
- 帰って来たばかりの子供に「宿題やりなさいよ!」
- 相談にのる夫に「話を聞いているの!?」
- 母親に「ボケたんじゃないの!」
- 育児やパートで忙しい妻に「俺の飯が冷めてるだろ!俺より給料稼いでから仕事してるって言え!」
等、身近な人ほどコントロールできるはずという思い込みや、相手への甘えや期待値も高くなり、思い通りにいかない場合に怒りが生じやすくなり、怒りの程度も強くなります。
- 長く一緒にいるのだから言わなくてもわかるでしょう?
- 何回も言ったのだからわかってくれているはず!
- これくらい察してくれればいいのに!
あなたがもし身近な人に上記のような思いがあるのなら要注意です。
本来怒りは、悔しさから次こそ頑張ろう!とモチベーションを上げる良い効果もあるのですが、コントロールできなくなった怒りは、あなたとあなたの周りの関係を少しずつ壊していきます。
次の項目に該当する方は、怒りに振り回されて様々な「人」や「物」を失う可能性があります。
1.頻度が高い
□ 一日のうちに何度も怒ることがある
□ 些細なことにイライラする
□ いろいろな事で頻繁に腹を立てる
□ いつも不機嫌にみられる
2.強度が高い
□ 怒った時に自分でも怒りがコントロールできない
□ 相手が謝ったり、誰かが止めても許せない
□ 一度怒り出すと止まらない
3.持続性がある
□ 怒るとしばらく口を聞かない
□ 根に持つ
□ 一度起こると何日も怒りが収まらない
□ 思い出し怒りをする
4.攻撃性を持つ
□ 怒ると「相手」「物」「人」「自分」へ攻撃する
□ 怒ると相手を責め、傷つけるようなことを言う・暴力をふるう
自分への攻撃というのはリストカット等だけではなく、過度な飲酒や薬物依存も該当します。肩こりの人の薬物依存の中には、鎮静剤が含まれた鎮痛剤をラムネのようにかじる方や、一日何度も服用量を超えて摂取する事も含みます。
現在上記の項目で3の持続性があるに該当した方は、怒りが「恨み」に変わる危険性があります。怒りと恨みの違いは、怒りが「こうあるべき」「こうして欲しいのに」という欲求に対して起こる感情を超えて「相手を傷つけたい!」という想いになる事です。
4の攻撃性を持つに該当している方は、家族や自分が深刻な精神的・身体的ダメージを受ける前に早急に専門機関を受診する事をお勧めします。
怒りってどこからわいてくるの?
怒りはあなたの中の「べき」から生まれてきます。小さい頃から、ご飯を食べる前には手を洗う環境で育ってきたあなたは「食前には手を洗うべき」と思い、ウイルス感染症が流行っているのに、手を洗わないで給食をよそう人に怒りがわくかも知れません。
実は怒りの原因は自分の中にあります。手を洗わずに給食をよそった人は、その行為に対して悪いと思っていなければ、あなたの怒りに気づかないでしょう。
例えば、水が貴重な地域で、浄水していない泥が混じったような雨水を飲んで生活している人が、あなたが熱中症にならないように、水分補給させてあげようと貴重な雨水を持ってきたのに対し、あなたが「こんなの飲めないわ!」と言ったら、相手が怒りを感じるように、自分の願望と理想が裏切られたと感じた時や、その通りにならなかった時に怒りを感じます。
あなたがいつもイライラして、怒ってばかりいるのなら、相手を自分の「べき」という型に勝手にはめていないか確認しましょう。
相手に求めてしまいそうな「べき」の例
- 挨拶は若い方からするべき
- 靴は揃えるべき
- 部下は上司に従うべき
- 上司は部下の話を聞くべき
- 時間や順番は守るべき
- 子供は早く寝るべき
- 嫁は夫に従うべき
- 旦那は家事を手伝うべき
等と、あなたの中にはきっと、様々な「べき」が隠されているのではないのでしょうか?
そして、怒りが本当は二次的な感情だという事がわかれば、それに対して対策する事ができます。
例えば、連絡をせずに遅く帰ってきた子供や夫に怒りの感情が芽生えるのは、根っこ(一次感情)に「不安」や「心配」があるからです。

イライラし始めたら、自分の中の一次感情を認めたり、客観的に見つめる事が大切です。
怒りのピークは6秒で超える!?怒りをコントロールする3つの方法

1.頭に来たら6秒待つ
怒りのピークは長くても6秒だと言われています。カッとなって暴言を吐く、暴力をふるう等、突発的・衝動的な行動に出る前に6秒やりすごそうという日本アンガーマネージメント協会の説です。
この説は海外の記事も色々調べてみたところ、10秒という説もありましたが、文献レベルでは、はっきりとした秒数の物を発見する事はできませんでした。
日本アンガーマネジメント協会に問合せをしたところ、「協会では、6秒を採用しています」との事でした。
日本や海外の説をまとめると6秒から約10秒我慢すると、怒りに任せた行動をとらず、自分を取り戻せます。
2.○○すべきという思考をコントロールする「べき」の三重丸とは?
先ほど「べき」の程度は人によって異なるという事をご紹介しました。

「べきの三重丸」を説明すると、以下のようになります。
①自分と同じ「べき」→許容範囲
②自分と少し違うものの、許容範囲
②~③のピンクの境界線は怒る、怒らない境界線
③許容できない範囲
この境界線を自分の中で明確にしたら、次にすることは「境界線を相手に伝える努力」をする必要があります。
例えば、社会人らしい身だしなみをちゃんと守りなさい!というよりつけまつげ、まつエク、カラコン、ピアスは禁止等、具体的な規則があった方が、相手に伝わりやすくなります。
お互いの境界線を知り、接していくことが、誰かと共に生きていく為に重要です。
境界線を広げる努力をする

自分の「べき」にこだわり過ぎて、「べき」の許容範囲が狭くなると、柔軟性や寛容さが乏しくなります。
相手との間に溝ができるだけでなく、自分の「べき」の壁を守る為に怒りを持って攻撃したり、防衛します。
大切なのは、自分の価値観を押し殺したり、捨てるのではなく「べき」という考え方に柔軟性を持って、人には様々な「べき」が存在する事を認めてあげると楽になります。
相手が不機嫌な場合は、相手が何故そのように思っているのかを考えてみましょう。
境界線のゆらぎを安定させる

境界線の揺らぎを行動に例えると
- 昨日は遅刻しても何も言われなかったのに、今日はちょうどについても叱られた。→機嫌が悪いのかな?
- いつも片付けろ!と叱られるのに、今日は何も言われなかった→機嫌が良いのかな?
と注意された側は、あなたがコロコロ態度を変えてしまうと、機嫌がうまくつかめず今日は機嫌が良いのかな?悪いのかな?と意図がつかめないばかりか、不信感を持たれる原因にもなります。
不快感を出した相手の態度がさらなる怒りにつながる可能性もあります。
逆にあなたが、上司や家族の機嫌次第で叱られたりしたら嫌ですよね。
そうならない為にも、相手の価値観を柔軟に認めることや規則等は共通認識ができるような環境にすること、お互いに態度を機嫌でコロコロ変えないことで、頭にくることを防ぐ事ができます。
今回ご紹介したアンガーマネジメントは、たくさんあるテクニックの中のいくつかをご紹介しました。
怒りのコンコロールで肩こりの予防・改善に興味がある方は、専門書籍もたくさん販売されていますので参考にしてみて下さい。
怒りをコントロールして是非、辛い肩こりと根っこから向き合ってみませんか?
この記事を書いた人:
薬のすえさん

登録販売者、食育指導士、ヘルパー二級、障害者ヘルパー二級、行動心理士、
上級カウンセラー、メンタル心理カウンセラー、整体ボディーケアセラピスト、
スポーツ整体ボディーケアセラピスト、
リラクゼーション整体ボディーケアセラピスト、
危険物取扱者乙4類等の資格を持つ。
中3、中1、1歳の子供がいる健康記事専門のママライター。