しぶとい肩こりに効く漢方とは!?

【しぶとい肩こりに効く漢方とは!?漢方って本当に効くの?】

揉んでも叩いてもじんじんする肩こりって本当につらいですよね。

どんなに肩が辛くても、学校や会社は待ってくれないので湿布を貼ったり、鎮痛剤でごまかしながら頑張っている方も多いのではないでしょうか。

首筋から肩、背中の筋肉が硬くなり「張る」「こわばる」「痛む」「しびれる」等、人によって自覚症状が異なる肩こりですが、肩こりになりやすいタイプや職業がありますので先にご紹介します。

【肩こりになりやすいタイプ】

  • 姿勢が悪い方(猫背等)
  • 神経質・生真面目
  • 内気な方
  • 運動不足の方(筋力の低下)
  • 首の骨に先天的に異常のある方

【肩こりを起こしやすい職業や人】

  • パソコン業務が多い
  • ノルマやタイムリミットに追われる
  • 責任感の強い職場にいる
  • 出産・育児の負担が大きい

肩こりや首のこりは、日常、誰にでも起こりうることですが、通常は一定の休息を取れば治ります。

筋肉性疲労の肩こりは、入浴やマッサージで治りますが、肩こりの症状が長引いたり、強く出ている場合は、五十肩(四十肩)の他にも以下の病気の可能性がありますので、一度検査をすることをお勧めします。

【長引く肩こりで疑う心配な病気】

  • ストレス(精神疾患)
  • 目・耳・鼻・歯の病気
  • 高血圧
  • 低血圧
  • 心臓・肺・腎臓の病気
  • 動脈硬化
  • 頸部や脊椎の変形
  • 神経の異常
  • 更年期障害

等があります。

また、ストレスが多い生活は、交感神経(戦う時に活発になる)が優位になり、血流が悪化し、肩こりが治りにくくなる傾向があります。

頑張り続けた後にはリフレッシュすることも重要です。

では、肩こりに効く漢方をご紹介します。

【肩こりによく用いられる漢方】

漢方では冷えによる体液の滞り(水毒や瘀血)を肩こりや五十肩の原因と考えています。

ストレス性の肩こりの場合は、更に「気」の滞りもあると考えます。

漢方を選ぶ際は「証」が合っていないといけません。

【証って何?私の証はどっち!?】

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「証」とは、簡単に表現すると「体力」のことです。

は、その人の体力・抵抗力・体質・症状の個人差を表し、体調や抵抗力を計るものさしだと考えると良いでしょう。

西洋医学で頭痛を治療する時は、対症療法の「鎮痛剤」で頭痛は一時的に治りますが、原因までは解決できません。

頭痛一つ診ても原因は人によって異なります。

  • 眼精疲労が原因
  • 血管の収縮や拡張に起因するもの(片頭痛やアルコール等)
  • 脳卒中や脳血管疾患によるもの
  • 更年期障害
  • 自律神経の乱れ
  • 高血圧

等、原因は様々ですが、漢方はその人の「証(抵抗力のものさし)」できちんと体質に合ったものを選ぶと、頭痛だけではなく、後ろに隠れている原因(自律神経の乱れや肩こり等)も一緒に治すことができます。

一時的な肩こりや頭痛であれば、鎮痛剤でも良いかもしれませんが、鎮痛剤は血流を悪化させるため、血流を良くすることで改善する肩こりが治りにくくなりますので 漠然と長く飲むのはやめましょう。

また、市販の解熱鎮痛剤の中には、気持ちを穏やかにし、効き目を良くする為に、鎮静剤が含まれている製品も多数あります。

鎮静剤は眠気の副作用があるので運転や危険作業をする場合は避けなければいけません。

鎮静剤のブロムワレリル尿素・アリルイソプロピリアセチル尿素は依存性のある成分として知られており、鎮痛剤依存症の原因にもなります。

更に、痛い肩こりをごまかして仕事を頑張る為に、長い間鎮痛剤を使用していると、胃酸の分泌を促進して胃潰瘍になるリスクも上がります。

鎮痛剤を長く飲み続けた方で、胃がキリキリする等の自覚症状がある方は、受診して飲んでいた鎮痛剤と期間を医師に伝える事をお勧めします。

さて、証の話から少し脱線してしまいましたが、鎮痛剤依存症はあなたの健康に深刻なダメージを与えるのでご紹介致しました。

それでは、依存性がなく肩こりの他にもある、あなたの不快な症状を治す漢方の「証」のおはなしです。

証は、大きく分けると「実証」「虚証」があります。

実証・虚証をチェックして、どちらでもない場合は「中間証」の漢方を選びましょう。

簡単に分けると実証→体力がある虚証→体力がない・胃腸が弱いとなります。詳しくは上記でチェックしてください。

加えて漢方を選ぶ時には、不調の原因を計るものさし「気(き)・血(けつ)・水(すい)」があります。

【不調を計るものさし「気・血・水」とは!?】

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私たちのカラダは「気・血・水」がうまく巡ることで健康を維持できると漢方では考えられています。

気・血・水のどれかが滞る・偏る・不足することで病気や障害が起きる為、気・血・水のどれかに異常がないか確かめる事も漢方を選ぶポイントになります。

【気の不調とは!?】

気の不調には「気虚」「気滞・気鬱」「気逆」があります。

「気虚」

  • 疲労感
  • 無気力
  • 食欲不振
  • だるい

「気滞・気鬱」

  • 喉が詰まった感じ
  • 息苦しい
  • 頭重
  • おなかが張る

「気逆」

  • 動悸
  • のぼせ
  • 発汗
  • 不安感

【血の不調とは!?】

「瘀血(おけつ)」

  • 便秘
  • 月経異常
  • 色素沈着
  • おなかの圧痛

「血虚」

  • 血行不良
  • 貧血
  • 皮膚の乾燥
  • 脱毛

【水の不調とは!?】

「水毒・水滞」

  • めまい
  • むくみ
  • 頭痛
  • 下痢
  • 排便異常

等があります。

漢方は、「証」で体力の有無をチェックし「気・血・水」で自分の不調と照らし合わせて、自分に合う漢方を選びます。

【実証の人に効く肩こりの漢方】

 『寒い日にひどくなる肩こりに!葛根湯(かっこんとう)』 

「配合生薬」 

葛根、麻黄、生姜、大棗、桂皮、芍薬、甘草

「効能」 

  • 比較的体力のある方で慢性化した肩こり。
  • 首の後ろから肩・背中にかけてコリがあり、関節痛を伴う。
  • 葛根湯は肩こりの他にも、初期のかぜ蓄膿症、扁桃炎、結膜炎、上半身の炎症性疾患にも使われます。

「使用上の注意」 

  • 病後の衰弱期にある人、著しく体力が衰えている人は副作用が現れる恐れがありますので注意が必要です。
  • 著しく胃腸の弱い人は、食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐などが現れる事があります。
  • 重症高血圧、甲状腺機能亢進症、循環器系障害、高度の腎症害のある方は、それらの症状がある方は、必ず主治医にご相談ください。
  • 偽アルドステロン症や低カリウム血症によるミオパシー(筋肉疾患)などの副作用が現れた場合は、受診してください。
  • 肝機能障害・黄疸が起きた場合、使用を中止し、受診してください。
  • 妊娠中の方は、通院中の産婦人科にご相談ください。

『ストレスを感じる肥満気味の方の肩こりに!大柴胡湯(だいさいことう)』 

「配合生薬」

柴胡、半夏、生姜、オウゴン、芍薬、大棗、枳実、大黄

「効能」

  • 比較的体力がある人で便秘がちの人の高血圧などに伴う肩こり。
  • 頭痛・耳鳴り
  • 精力減退
  • 胃腸病
  • 神経衰弱
  • 不眠症
  • 肥満症
  • 胸脇苦満(きょうきょうくまん)両側の肋骨弓の下を押すと圧痛と抵抗を認めるもの。胸脇苦満は、肺炎、胸膜炎、気管支炎、肝炎など横隔膜周辺の炎症や、精神疾患で起こりやすいとされ、柴胡を配合した漢方を使う目安になります。

「使用上の注意」

配合されている大黄により、授乳中や妊娠中の方は、乳児が下痢をしたり、流早産の危険性がありますので、飲む前に医師、薬剤師、登録販売者にご相談ください。

【中間症の肩こりに処方される漢方】

『今すぐ止めたい肩や腰の痛みに!芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)』

「配合生薬」

芍薬、甘草

「効果」

  • 体力の強弱にかかわらず、筋肉のけいれんに伴う痛み
  • 筋肉痛・関節痛・こむら返り
  • 腹筋が緊張し、胃痛や腹痛がある胆石症や腎臓、膀胱結石のけいれん痛
  • 急激な筋肉けいれんを伴う痛み

※漢方の痛み止めとして、とてもシャープに効く漢方薬です。

『葛根湯では胃がもやもやする方に!二朮湯(にじゅつとう)』

「配合生薬」

半夏、蒼朮、白朮、オウゴン、香附子、茯苓、陳皮、天南星、威霊仙、キョウカツ、甘草、生姜

「効果」

  • 五十肩に有効
  • 肩の痛みの他、胃腸があまり丈夫でない水太りの傾向がある方
  • 色白で筋肉にしまりがない方

「使用上の注意」

  • 偽アルドステロン症やミオパシー(筋肉疾患)
  • 妊娠中は要相談

『クマができやすく不正出血などのトラブルがある人の肩こりに!桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)』

「配合生薬」

桂皮、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬

「効果」

更年期障害などの「血の道症」にも良く使用されている漢方で、肩こり以外にも様々な効能が期待できます。

比較的体力のある人の冷え性で、のぼせる傾向があり、充血しやすく「動悸」「息切れ」「めまい」「肩こり」等があり、下腹部が張り、押すと痛みがある場合に用いられます。

  • 子宮ならびにその付属器の炎症
  • 子宮内膜炎
  • 月経困難
  • おりもの

 等の他にも、美肌薬としてヨクイニンと併用されることもあります。

  • 腹膜炎
  • 打撲症
  • 湿疹・蕁麻疹
  • 精巣炎

等、男性にも広く使用される漢方薬です。

「使用上の注意」

  • 肝機能障害、黄疸などが現れた時は使用を中止してください。
  • 牡丹皮、桃仁により、流早産の危険性がありますので、妊娠中は避けて下さい。
  • 発疹・発赤・痒み、下痢、吐き気などの症状が現れる事があります。

『肩こり・神経痛・関節痛がある冷え性の方に!五積散(ごしゃくさん)』

「配合生薬」

茯苓、蒼朮、陳皮、半夏、当帰、乾姜、芍薬、センキュウ、百芷、枳殻、桔梗、桂皮、麻黄、甘草、大棗、厚朴

「効果」

あまり体力がない人で、下半身が冷えて痛み、みぞおちにつっかえがあり、上半身は逆にのぼせ、頭痛、発熱、肩こりがある場合に用いる。

  • 胃腸炎
  • 腰痛
  • 関節痛
  • 神経痛
  • 月経痛
  • 冷え性
  • 更年期障害
  • かぜ
  • 胃腸虚弱
  • 胃下垂
  • リウマチ

「使用上の注意」

  • 著しく体力が低下している方
  • 重症高血圧・甲状腺機能亢進症
  • 偽アルドステロン・ミオパシー(筋肉疾患)・黄疸が現れた
  • 妊娠中の方

は、使用を中止し、医師、薬剤師、登録販売者にご相談ください。

【虚証の肩こりに用いられる漢方】

『冷えがある方の肩こり・関節痛・神経痛に!桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)』

「配合生薬」

桂皮、芍薬、大棗、生姜、甘草、蒼朮、附子

「効果」

冷え性で比較的体力の低下した人に用います。

  • 手足の冷え
  • 手足の関節が痛む
  • 曲げ伸ばしが困難でまひ感がある
  • 口が渇き、汗は出るが尿の出が悪い
  • 頭痛・肩こりを伴う関節炎、関節痛、神経痛
  • 肩こり・リウマチ・神経痛

「使用上の注意」

  • 体力が充実している人は、のぼせや動悸などの副作用があらわれることがあります。
  • 偽アルドステロン・ミオパシー(筋肉疾患)
  • 妊婦は要相談
  • 附子が含まれるため子供は注意が必要です。

『月経異常や冷え性を伴う肩こりに!当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)』

「配合生薬」

当帰、センキュウ、芍薬、茯苓、蒼朮、沢瀉

「効果」

虚弱体質で血色不良、下腹部痛、倦怠感、むくみ、貧血、冷え等がある肩こり。

排尿回数は多く、尿量は減少し、めまい、耳鳴り、動悸、肩こり、頭痛などのある人に用います。

  • 月経痛、月経不順、更年期、血の道症
  • 子宮内膜炎
  • つわり、安胎薬、不妊症
  • おりもの
  • 貧血
  • 血圧以上
  • 冷え性
  • 慢性腎炎
  • 心臓衰弱
  • 心臓弁膜症
  • おでき
  • 習慣性膀胱炎
  • 腰痛
  • 半身不随
  • むくみ
  • しもやけ
  • 脱肛・痔核

等、肩こりの他にも広く使われている漢方薬で、男性にも処方されます。

「使用上の注意」

食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、下痢、発疹、痒みなどの症状がある場合は医師、薬剤師、登録販売者にご相談ください。

さて、『しぶとい肩こりに効く漢方とは!?漢方って本当に効くの?』をご紹介しました。

漢方薬は効かないイメージの方も多いと思いますが、正しい「証」症状の漢方を選ぶと、対症療法の西洋薬では治す事ができなかった症状を改善する事ができ、あなたが心配な副作用を予防する事ができます。

薬は何でも必ずリスクが伴います。鼻炎薬で喉が渇くように、漢方薬だからといって絶対副作用が出ないわけではありませんが、正しく使用すると肩こりだけではなく、不調だった他の部位も改善する可能性があります。

ストレッチや入浴で改善しない方は、漢方薬も視野に入れて肩こりを改善しませんか?

薬、食、介護、カウンセラー、整体の資格を持つ健康ライター 

登録販売者 末吉 (薬のすえさん)