その対応は合っている?基本的なウィルス感染症対策とは

画像元:新型コロナウィルスの3Dモデルデータ~WebARでも確認可能~

 突然の新型コロナウィルスの発生や、冬になると毎年発生するインフルエンザ、ノロウィルス、年間を通して発症しやすい風邪症候群を引き起こす様々なウィルス。あわててマスクをしたり、部屋の中をアルコール消毒したり情報番組に振り回されている状況ではないでしょうか。何に気を付け、発症した場合はどう対処したらよいのか知っていますか?

目次

1.感染症とは
2.感染経路
3.免疫が低下する要因
4.免疫を高めるには
5.感染予防
6.発症した場合
7.自分で行える対処法

1.感染症とは

 ウィルスや細菌などが体内に入って増殖し、発熱、咳、鼻水、喉の痛み、下痢、嘔吐などの症状を引き起こすことを感染症と言います。風邪の原因となるウィルスは200種類以上いるとされ、一度感染して免疫ができたとしても、多数の中の一種類でしかなく、多くのウィルスは年々変化し性格を変えるため、年度も感染を繰り返してしまいます。

 一昔前までは、感染症が風邪の一種と一括りにされてきました。現在はウィルスや細菌の特定が容易にできるようになったため、個別の病名で呼ばれるようになったのです。(インフルエンザウィルス感染症、コロナウィルス感染症、ノロウィルス感染症、RSウィルス感染症など)

2.感染経路

 ウィルスが体内に侵入する経路は、大きく分けて垂直感染水平感染の2種類です。

○垂直感染(母子感染)~妊娠中の母体から赤ちゃんへの感染。風疹、麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、B型・C型肝炎など

○水平感染~感染源から周囲に広がるもので接触感染飛沫感染空気感染媒介物感染に分類されます。

  ・接触感染~感染源に直接、触れることにより感染:ノロ、ヘルペス、コロナ、流行性結膜炎など

  ・飛沫感染~咳、くしゃみ、呼気(吐く息)などにより飛び散ったしぶきを吸い込み感染:風邪、インフルエンザ、コロナ、ジフテリア、百日咳など

  ・空気感染~空気中に漂う粒子に付着したウィルスを吸い込み感染:麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、結核など

  ・媒介物感染~汚染された食品、水、昆虫、小動物を介して感染:食中毒、コレラ、マラリアなど

 このように感染経路は非常に多く、家庭用のマスクで防ぐことは難しいのが現状です。また部屋の中をアルコール消毒しても減らすことはできますが、完全に滅菌することは不可能なのです。

 しかしウィルスが体内に侵入しても、症状が現れる場合と現れない場合があります。その違いはウィルスの感染力と体の免疫力のバランスで決まります。免疫が低下している人は、感染すれば発症するリスクが非常に高いといえます。

3.免疫が低下する要因

  • 長時間労働による疲労、肉体的ストレス
  • 心労などによる精神的ストレス
  • 過度の飲酒による内臓の疲労
  • 睡眠不足、または不規則な睡眠時間による疲労の残存
  • 偏食による栄養不足
  • 薬の飲み過ぎによる肝臓、腎臓の機能低下
  • 運動不足による体力低下、血行不良

4.免疫を高めるには

腸内バランスを整える

 口と肛門を結ぶ腸は、免疫に関わる細胞の6割が存在しています。また乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌が消化を助け、免疫を高く保つように働いています。発酵食品乳酸菌飲料ヨーグルトを積極的に摂取してください。食物繊維を多く取り、便秘の解消も必須になります。

体を温める

 体温が1度下がると、免疫が3割落ちるとの研究報告があります。体温のうち約4割は筋肉から生み出されます。筋肉が多い人は、熱を生み出す能力が高いのです。逆に筋肉が少ないと熱を生み出す力が弱く、体温が低い傾向にあります。細い女性に寒がりが多いのはこのためです。

 筋肉を作るためにも、週2回以上は運動することをお勧めします。また、運動をすること自体が体温を上げる行為になります。

 入浴はシャワーだけで済ませるのではなく、湯船にゆっくり浸かるようにしてください。

 衣服は室内では薄着、外出時は厚着するなど、こまめに体温調節することも重要な要素になります。

自律神経のバランスを整える

 精神的緊張状態が長く続き、交感神経優位になるとストレスが溜まり免疫が落ちてしまいます。また、全く緊張のない怠惰な生活は、副交感神経緊張状態が長く続くためよくありません。適度な緊張とリラックスのメリハリをつけることが必要です。

 仕事や家事を行うときは、集中して緊張状態をつくり、終わったらテレビや音楽鑑賞、趣味に没頭するなど意識して緊張・リラックスのバランスをとるようにしてください。

5.感染予防

1.手洗い

 ドアノブ、電車のつり革など手は色々なものに触れるためウィルスが付着している可能性があります。帰宅時、調理前後、食事前などこまめに手を洗ってください。一番重要なセルフケアです。

画像元:新型コロナウイルス感染症に備えて

2.室内湿度を保つ

 空気が乾燥すると、のど、鼻、目の粘膜が弱り、防御機能が低下します。室内の湿度を40~60%に保つようにしてください。加湿器の利用や洗濯物を室内に干すのも効果的です。

3.健康管理

 普段から適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠で免疫を高めておきましょう。

4.人混みを避ける

 人の多い場所は接触感染、飛沫感染のリスクが高まります。特にお年寄りや持病がある方は、感染し発症した場合に重症化する可能性があります。なるべく人混みは避けるようにしてください。

6.発症した場合

 数日の潜伏期間の後、発熱、咳、下痢、胃腸炎などの症状が現れます。病原菌によりますが、平均して1週間程度、症状が続く有症期間になります。強い症状が2日以上続く場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

 特定の感染症では抗ウィルス薬が有効な場合もありますが、多くのウィルス感染症では薬は効かず、自己免疫で自然に治るのを待つ必要があります。つまりウィルスは薬が退治しているのではなく、自分自身の免疫細胞が退治しているのです。

 症状が辛い場合には、症状に応じた対症療法が行われますが、ウィルスに対する根本的治療ではありません。(咳→咳止め、発熱→解熱剤、下痢→下痢止めなど)

7.自分で行える対処法

  1. マスクを着用~呼吸による湿気で喉、鼻の粘膜を保護し、炎症による喉の痛みを和らげます。また人に感染させるリスクを減らします。
  2. 栄養バランスの良い食事~消化が良く、栄養のある食事で低下した免疫を回復させます。
  3. 十分な睡眠~低下した体力、免疫を睡眠により取戻し、ウィルスを撃退します。
  4. 水分補給~発熱、発汗によって脱水状態に陥りやすいのでミネラルと共に水分の摂取はこまめにしてください。ミネラル水、スポーツドリンク、経口補水液などがお勧めです。

画像元:子どもに風邪をひきやすくさせている意外な要因とは?適切な風邪予防をしよう!

この記事を書いた人:

若月隼

 小学1年~大学まで野球部に所属。

 2005年に鍼灸師免許取得後、日本オリンピック委員会医科学スタッフ、整形外科、脳神経外科に勤務し、その後、都内で鍼灸院開業。

 現在は鍼灸院での治療業務の傍ら、アスリートから一般の方に向けたフィジカルトレーニングの指導も行っている。

 趣味はスポーツ観戦と食べ歩き。