こんなことから肩こりに!?肩こりの要因を知って生活を見直そう

目次

1.肩こりを起こす様々な原因
2.なぜ「正しい姿勢」がいいのでしょうか
3.肩こり対策および予防

1.肩こりを起こす様々な原因

 肩こりを引き起こす原因は人それぞれで、さまざまな要因が「肩こり」に繋がっています。

 特に「悪い姿勢」「運動不足」「特定の筋肉の使いすぎによる持続的な筋肉の緊張(無意識に力が入り続ける)は頻発する原因の1つです。

 他にも、以下のようなことが肩こりを引き起こす要因として知られています。

✔ 筋肉の偏った使い方
✔ 間違ったトレーニング
✔ 精神的緊張
✔ ストレス
✔ 血行不良
✔ 外気温(冬の寒さ、夏の冷房)
✔ 過剰労働
✔ 単純な長時間労働
✔ 長時間の同じ姿勢(座りっぱなし/立ちっぱなし)
✔ 座り方に癖がついている(足を組む/どちらか一方のお尻に体重をのせている)
✔ いつも同じ手で荷物を持つ/肩にかける
✔ 加齢
✔ 急激なダイエット
✔ 太りすぎ/急に太った
✔ 自律神経失調症
✔ 血圧(高血圧、低血圧)
✔ 睡眠不足
✔ 偏った食生活
✔ 眼精疲労

 肩こりの原因として最も多く耳にするのは「姿勢」ではないかと思います。

 「正しい姿勢を取りましょう!」というキーワードは、テレビ、ラジオ、雑誌、本などでもよく見たり聞いたりするのではないでしょうか。

 悪い姿勢は楽ですねだ。らーっと力を抜いて、重力につぶされるがままに。

 一方で、正しい姿勢は疲れるし、長く続かない。

2.なぜ「正しい姿勢」がいいのでしょうか

 では、なぜ正しい姿勢がいいのでしょうか?

 「正しい姿勢」とはどのような状態のことをいうのでしょうか?

 正しい姿勢」とは以下のような状態をいいます。

✔ 背骨の並び(よくいう、適度なS字カーブ)が整う
✔ 背骨の前後左右の筋肉がバランスよく働いている
✔ 安定している
✔ 余分な力や緊張が入らない

 では、姿勢が悪いとなぜ良くないのでしょうか?

 姿勢が悪いと、こんなことが起こります。

✔ 短くなる筋肉(短縮といいます)と、長くなる筋肉(伸張いいます)が形成される
(筋肉は骨にくっついているので、背骨を曲げていると、そこについている筋肉の長さが変化してしまいます)
✔ 短くなったり、長く伸ばされたりした筋肉が弱くなる(筋肉の弱化)
✔ 前後左右の筋肉のバランスが崩れる、悪くなる
✔ 背骨や骨盤が歪む
✔ 一部の筋肉への負担が増える
✔ 正しい姿勢を保つために必要な筋肉の柔軟性と筋力のバランスを乱す
✔ 癖になってしまう、楽な姿勢が当たり前になる

 世間のいたるところで見かける、代表的な悪い姿勢。

 こんな人、隣にいませんか?自分自身は大丈夫ですか?

ねこ背(胸椎後彎の増強)で、頭が身体よりも前に出て(頭部前方位)、あごも前に突き出たような姿勢

 長い時間こんな姿勢でいれば、首から肩にかけての筋肉は過剰に緊張し、肩がこるのは当たり前です。肩がこらない方が奇跡的といえます。

 肩こりの原因になる、「筋肉の長さ」や「筋力のバランス」は、ふだんの何気ない生活や仕事の姿勢、歩き方、スポーツ動作などの中で、少しずつ積み重なった癖によって偏りが生じてきます。

 私たち人間はロボットではありませんから、身体を左右均等に使う動きは殆どありません。

 ほぼ皆無といっていいでしょう。

 立っているときも座っているときも、左右あるいは前後のどちらかに体重がかかっているが一般的です。

 食事をする、歯を磨く、スマホを使う、テレビゲームをする、パソコンを使う、物を持つ、掃除をする、洗濯を干す、歩く。

 言いだせばきりがありませんが、様々な動作で少しずつ、身体の使い方に偏りが出てきます。

最初は本の少しの偏りかもしれませんが、それが長い年月を重ねるうちに、大きな偏りに変わっていきます。

 悪い姿勢や長時間の座りっぱなし、長時間の同じ動作や作業をしていると、特定の筋肉に持続的に力が入り続けることになります。

 持続的に力が入り続けた筋肉や筋膜は血行が悪くなり、こりや痛みが引き起こされることになります。

 さらには頭痛や目のかすみが伴い、生活や仕事に支障をきたすこともしばしば。

 なので、早め早めの対処が必要というわけです。

「筋肉の長さ」や「筋力のバランス」の話をしましたが、そもそも筋肉はどのように働いているでしょうか

 私たちの身体を支える・動かす役割を担っている全身の筋肉は骨格筋とよばれ、私たちの意思や命令にしたがってコントロールすることが出来る筋肉です。

 ちなみに心臓をはじめとする内臓器を動かす筋肉は自分の意思で動かすことは出来ないので、また別です。

 全身の骨格筋は収縮(縮める)と弛緩(伸びる)を調整することで、姿勢を保ったり身体を動かしたりしています。この収縮と弛緩を行うためには、筋肉に適度な長さが必要です。

筋肉に適度な長さがあれば、適切に収縮でき、適切に弛緩でき、円滑に、ストレスなく、快適に身体を動かすことができます。

 筋肉が適度な長さにあれば、柔軟性もあり、強い力も発揮することができるのです。

 少し説明が長くなりましたが、「正しい姿勢」は、

 筋肉が程よい長さに保たれていて、効率よく筋力を発揮でき、かつ柔軟性も兼ね備えた状態です。

 では、肩こり対策および予防のために生活の中で取り組めることを7つご紹介します。

3.肩こり対策および予防

(1)慢性肩こりには「温め」が効く

 肩こりは温めればいいの?冷やせばいいの?という質問をいただくことが多いのですが、

 肩こり解消には筋肉の緊張を和らげ、血行を良くするのが基本です。

 慢性の肩こりでは血行が低下しているので温めるのが基本と覚えておきましょう。

 温めることで、循環の改善疼痛の軽減などの生理的反応が期待できます。

 病院やクリニックではホットパックや、極超短波療法(マイクロ波)などがくよく用いられていますが、日常生活の中では、お風呂でゆっくり温まり、精神的にリラックスを図るのも効果的です。

 ※急性の痛み(肩の痛みが強く、腫れ、熱を持っている時)に温めると逆効果になるため、このような場合はアイシングをしましょう。

(2)39~42度のお風呂に20分

 お風呂の温度設定は、目的によって調整することで、さまざまな効果が期待できます。

 肩こりに効果が期待できる温度は、39~42度の温浴といわれる入浴法です。

 この温度で20分程度の全身浴をすることで、血行改善」「新陳代謝の向上」「首・肩などの疲労物質の除去が期待できます。

(3)温めた後のストレッチ

 筋肉が温まった状態でのストレッチはとても効率よく、効果的に筋肉を伸ばすことができます。お風呂の後や入浴中にストレッチをするのが最も効果的です。

 浴槽に入りながら、温かいタオルで首の根本(首と頭の境目)を温めてからストレッチを行うこともおすすめです。

 以下のような簡単なストレッチをしてみましょう。

うなずきストレッチ
(顎を左右の鎖骨の間あたりにくっつけるようにうなずく)

 首の後ろが伸びている感じがあれば正しく行えています。

 「気持ちがいい」「痛気持ちいい」と感じるところで20~30秒保ち、3セット行えると効果的です。

首かしげストレッチ
(右耳を右肩に近づけるように首をかしげる)

 左の首筋が伸びている感じがあれば正しく行えています。

肩甲骨をまわす

 温めた後が最も理想的ではありますが、仕事や家事の合間、テレビを見ながら等々、生活の中でこまめに行うのもいいですね。

(4)ビタミンB1、C、Eを摂る

 肩こりにビタミン?と思う方もいるかもしれませんが、栄養素はあなどれません。私たちの体は摂取した栄養素で作られていることを忘れてはいけません。

 そこで、肩こり解消を目的に摂りたい栄養素はビタミンB1、C、Eの3種類です。

ビタミンB1:筋肉や神経に必要なエネルギーを作り出す働きがある

ビタミンE:血流を改善する働きがある

ビタミンC:ビタミンEと一緒に摂取すると、ビタミンEの抗酸化作用を高めてくれる

(5)1時間おきに姿勢をかえる

 一般的に同じ姿勢を1~2時間以上持続すると肩こりが増す傾向にあります。

 読書、パソコンやスマホ、アイロンがけなどの繰り替えし作業、車の運転、編み物、ゲームなどは首や肩、肩甲骨の周りに強い負担をかけるため特に注意が必要です。

 できる限り仕事や家事、趣味の合間には、こまめに姿勢を変えたり、一定時間の休憩や体を動かす時間を確保することをお勧めします。

(6)枕を見直す

 一般に理想的と言われている枕の高さは、以下のような条件になります。

・仰向け:あごがつきあがらずに軽く引けるくらい
・横向き:首が横に真っ直ぐに保てる高さ(床と平行)
・枕の角度:頭の方が15度くらい高くなっている

 固くて高い枕は、首が過度に曲がり、胸の前も丸くなるためお勧めできません。

(7)運動をはじめてみる

 特に水泳は、肩こりに効果的だと言われています。中でも肩甲骨から腕全体を大きく動かすクロールや背泳ぎがおすすめです。

 プールに行くのはちょっと…という人は、クロールや背泳ぎの動きだけ行ってもいいですね。

 水泳でなくとも運動全般においては、筋肉を動かし、血流の改善が期待できますので、軽い運動やダンス、日常生活の中に大股歩きや速歩きを取り入れることも効果的です。

 肩こりを改善するためには、良い習慣をつけることがとても大切です。即時効果を求めずに、小さなことでもコツコツと積み重ね、『脱・肩こり』しましょう。

この記事を書いた人:

ONISHI

理学療法士。コンチネンスリーダー。リラクゼーションサロンsaya andaオーナー。10年間病院でのリハビリテーションに携わったのち、現在は介護・福祉従事者の教育に従事しながら、筑波大学大学院にてヘルスプロモーションの勉強・研究に取り組み、健康活動を推進中。