
画像元:大いびきは生活習慣病の一因
いびきをパートナーから指摘され嫌な思いをされた方、またはパートナーのいびきに悩んでいるという方は意外と多いのではないでしょうか。
いびきは顎の小さい日本人の骨格的特徴に加え、生活習慣も大きく関わっています。
疲労回復に重要な睡眠の質を上げるためにも、夜の騒音“いびき”を解消し健康的な生活を送りましょう。
目次
1.いびきの原因・メカニズム2.危険で病的ないびき
3.いびき、(SAS)のセルフケア
4.いびき、(SAS)の治療
1.いびきの原因・メカニズム
睡眠時、呼吸に伴う独特な雑音がいびきです。どちらかというと男性に多い傾向にあります。
加齢により喉の奥の筋肉が弱り舌を支えられなくなると、仰向けで寝た時に舌が気道を塞ぎ空気が通りにくくなり発生します。
また太っている人は、喉の周りの脂肪につぶされ気道が狭くなり、そのため空気の流れが悪くいびきが発生しやすい状態にあります。
花粉やハウスダストに対してアレルギーがある場合は、炎症により鼻が詰まってしまい、口呼吸になり発生します。また、くしゃみや鼻をすする、鼻をかむ動作で肩が凝ってしまい睡眠の質が低下します。
睡眠時は通常、副交感神経が優位になり心身ともにリラックスした状態ですが、いびきや肩こりで睡眠が妨げられると脳が覚醒してしまい、寝ても疲れが取れない状況に陥ってしまいます。
肉体疲労時やいつもより多くアルコールを摂取した場合などに起こるいびきは、一過性のものが多く健康面ではさほど心配ありません。
2.危険で病的ないびき
注意が必要なのが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。睡眠中に呼吸が1時間で5回以上止まると(SAS)と診断されます。一晩で何度も呼吸が止まるため、眠りが極端に浅くなり日中にひどい眠気や疲労を感じ注意散漫になります。
バスや電車の事故が運転手の居眠りによるもので、(SAS)の既往があったケースが実際にニュースでも報じられました。眠気以外でも高血圧や心疾患との関連性も報告されています。

画像元:居眠り運転による事故を防止するための対策、眠気覚ましの方法
3.いびき、(SAS)のセルフケア
・生活習慣を見直し、肥満を改善する
首の回り、舌根(舌の根本)、喉の内側の脂肪を減らし気道を拡げます。
・アルコールの摂取を控える
アルコールの作用で喉の筋肉が緩み気道を狭めます。同時に喉の粘膜も弱り、空気抵抗が増し“いびき”が発生しやすくなります。
・気道確保のために横向きで就寝する
仰向けは重力により舌根が落ちて、気道を塞いでしまいます。
・高すぎる枕を使用しない
首の屈曲角度が大きいと気道を狭めます。
・口、舌の体操(いびき体操)
口、舌、喉の筋力を鍛え舌根が気道へ落ちるのを防ぎます。また口呼吸の改善にも繋がります。

画像元:【いびき体操】いびきをかく人に朗報?これで軽減できる?
4.いびき、(SAS)の治療
- 持続陽圧呼吸療法(CPAP)
- 気道閉塞を防ぐ目的でマウスピースを使用
- 鼻腔のレーザー治療
- 鼻炎の高周波ラジオ波治療
- 外科的手術 などが挙げられます。
これらの中でも肥満の解消は大きなテーマとなります。アメリカでは手術により胃を小さくして痩せさせる方法をとる場合もあります。“いびき”の改善のためにも、ダイエットをして気道を確保できる状態にしましょう。
この記事を書いた人:
若月隼

小学1年~大学まで野球部に所属。
2005年に鍼灸師免許取得後、日本オリンピック委員会医科学スタッフ、整形外科、脳神経外科に勤務し、その後、都内で鍼灸院開業。
現在は鍼灸院での治療業務の傍ら、アスリートから一般の方に向けたフィジカルトレーニングの指導も行っている。
趣味はスポーツ観戦と食べ歩き。